琳派400年(3) こぼれる梅花・MOA美術館「燕子花と紅白梅 光琳アート 光琳と現代美術」

 2015/06/11(Thu)
 大変遅まきながらの報告となりましたが、2月12日、久しぶりに熱海のMOA美術館へ行ってきました。目的はもちろん、長年の夢だった尾形光琳の二大国宝屏風が揃ってお目見えする「燕子花と紅白梅」展(2015/2/4-3/3)です。



 思えば千尋が最初に「琳派」なる流派を知ったのが1996年、その後酒井抱一に惚れ込んだのがきっかけで、本格的に琳派関連の美術展を追いかけ始めたのが1998年頃でした。そして2004年には国立近代美術館でRIMPA展が、続く2006年には出光美術館で風神雷神図屏風展が、さらに2008年には東京国立博物館で大琳派展が開催され、画集等でしか見たことのなかった貴重な作品の数々を実物で見る機会に恵まれました。
 しかしそんな中、何度も今度こそはと望みをかけつつも、唯一実現することのなかったのが、この燕子花と紅白梅の同時展示だったのです。特に2008年は光琳生誕350年記念という節目の年、しかも折りよく?燕子花を所蔵する根津美術館は改修のため休館中とあって、もしかすると実現するかもという期待が高かったのですが、結局この時も紅白梅図は出てくれませんでした。

 そんなわけで、光琳没後300回忌を迎える今年は、恐らく千尋の人生の中で最後のチャンスなのではないかと思っていただけに、昨年第一報を聞いた際はまさに狂喜乱舞でした。
 正倉院の瑠璃杯も足かけ18年待ち続けた末にやっと先年お目にかかれましたが、思えば今回の光琳もほぼ同じくらいの年月の間待ち焦がれてきたので、生きている間にこんな機会に恵まれて本当に嬉しかったです。なお今回の二屏風再会は実に56年ぶりだそうで(前回は昭和34年の根津美術館でした)、美術館関係者や研究者の方々にとっても貴重な機会だったでしょうね。

 というわけで、今回はそれぞれ屏風を所蔵するMOA美術館と根津美術館で、いつも紅白梅と燕子花を展示する2月と5月に開催ということになりました。
 もちろんこれは屏風に描かれた梅と燕子花の季節に合わせたもので、特に根津美術館はいつもGWの連休に重なる時期だけに毎年大変な混雑になるのですが、今年はそれ以上の大騒ぎになるだろうことは間違いありません。加えて私自身も年度始めは多忙で平日の観覧は難しいだけに、せめて先に開催の熱海は少しでも混雑のなさそうな時に行こうというわけで、建国記念の日に熱海に一泊、翌朝一番で美術館を訪れました。

 ところで、MOAの毎年恒例紅白梅図展示は、いつも展示室が決まっています。
 しかしこの展示室は本当に紅白梅図一曲を置くのにちょうどいいスペースで、さらに燕子花まで置くほどの余裕はありません。千尋も過去何度か訪れてそれはわかっていたので、さて一体どう展示するのかなと思っていたら、何とMOAさんは紅白梅と燕子花を向かい合わせに置くという、ちょっと意表を突く展示をしてくれたのです。展示室が混雑している時は二つの屏風を同時に楽しむのはちょっと難しい状況でしたが、運よくかなり空いているチャンスに遭遇、少し離れた場所から向かい合わせの燕子花と紅白梅をじっくり堪能することができました。

 さて今回、こうした美術展ではちょっと珍しい、粋な演出がありました。
 最初に紅白梅屏風をじっくりと眺め、キャプションへ目をやろうと視線を下へ向けたところ、屏風のそばに紅梅と白梅の花が一輪、まるで絵の中からぽろりとこぼれ落ちたように置かれていたのです。
一瞬「え、まさか本物?」とびっくりしたら、これが何と現代作家さんによる作品のひとつだったのです。本物と見紛うばかりの実にリアルな木製(!)の梅の花で、側のキャプションを読んでまた驚きました。他にもモノクロの紅白梅図など面白い作品が色々ありましたが、あの小さな紅梅と白梅は今回一際印象に残った作品でしたね。

 ともあれ、久々の熱海一泊光琳旅行は好天にも恵まれ、美術館前の梅林の梅の花もとても綺麗でした。千尋宅からですと日帰りで行くにはちょっと遠く、紅白梅図や琳派展でもないとなかなか足を伸ばすことはないのですが、熱海は新鮮なお魚と温泉も魅力なので、そのうちまたのんびり訪れてみたいです。

関連過去ログ:
 ・琳派400年(1) 箱根の琳派・岡田美術館展
 ・琳派400年(2) さえずる鳥たち・畠山コレクション「THE 琳派」

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