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帰ってきた江戸絵画 ファインバーグ・コレクション展

 2013/08/03(Sat)
 当ブログは御覧の通り至ってのんびり更新ですが、時々過去の記事に拍手をいただくことがあります。多分検索か何かで見つけてたまたま来て下さった方でしょうか、思いもよらないかなり前の記事にたまにいただくとちょっと驚きますが、何がしか感じるものがあっていただけたのかな、と思うと私も嬉しいです。拍手くださった皆様、ありがとうございました。

 さて、本日は遅まきながら江戸東京博物館にて開催されました「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」(2013/5/21-7/15)の感想です。もちろん、私の事ですからお目当ては例によって酒井抱一で、前期・後期の2回たっぷり堪能してきました。
 目下日本で特に有名なアメリカの日本美術コレクターは、現在東北でも大人気のプライス夫妻でしょうが、バークコレクションやギッターコレクション、ファインバーグコレクションも知る人ぞ知るで、私も抱一さん絡みで早くから気にかけていました。それが2006年にバーク・プライスと連続で里帰り展があり、ギッターコレクションも運よく台風被害を免れて2010年に来日し、残るはファインバーグコレクションだけだったので、それがやっと実現したのは本当に嬉しかったです。ただ抱一さんに関して言えば、2008年の大琳派展で一足先に「十二ヶ月花鳥図」が里帰りを果たしていましたが、今回改めて「ファインバーグコレクション」の中のひとつとして見ることができて、また違った感慨がありました。

 ところでこの美術展、抱一作品の美しさに見とれたのはもちろんなのですが、おかしかったことが二つあります。まずひとつは、谷文晁作の掛け軸作品「秋夜名月図」でした。
 題の通り満月に薄のシルエットを描いたシンプルな墨絵で、それだけなら地味ながら落ち着いた雰囲気のいい絵だったのですが、画面右側にどーんと捺された落款に仰天。計ってみたわけではありませんが、これが一辺が30センチ近くはあろうかという実に巨大な落款だったのです。
 なまじ本体が墨絵だけに朱の落款が一層強烈で、その存在感に一瞬呆然としましたが、よく見ると「文晁図画」(多分)と読み取れて、思わず吹き出してしまいました。日本画は今までかなりたくさん見てきたつもりですが、あそこまで巨大な落款を見たのは初めてです。普通落款なんて絵の隅っこにつつましく捺すものだと思っていたのですが、文晁さんは一体何を考えてあんな巨大な落款にしたんでしょう…(そして先日、サントリーの「谷文晁展」でも再び巨大な落款に遭遇して笑いましたが、その話はまた後日)

 そしてもうひとつ、今回は琳派コーナーから始まり浮世絵で締めくくりでした。この点もちょっと変わった構成だなと思いましたが、最後の浮世絵コーナーはそれほど興味がないのでさらっと流しながら見ていたら、何とその中に突然抱一の「遊女立姿図」が! うっかり通り過ぎかけて「ええ!?」と驚き慌てて立ち止まりましたが、歌川派の肉筆浮世絵と一緒に並べられた抱一さんの遊女は周りと比べてもまったく違和感がなく、これは正直ちょっとやられたなあと思いました。黒を基調にした着物にちらりと覗く赤をアクセントに効かせた華やかな遊女絵で、若い頃は他にももっと色々あんな絵を描いていたのでしょうね。

 ところで冒頭の琳派コーナーにあった「十二ヶ月花鳥図」ですが、今回改めて見てやっぱり、どうも一部は抱一さんぽくないような…と感じました。
 一見した印象はいかにも抱一らしいのですが、桜の幹の構図がちょっと変わっていたり、朝顔の白い部分の描き方がリアルだったり、他ではあまり見ない糸瓜があったりと、ところどころに微妙な違和感があるのです。特に十月の栴檀の実をくわえたカケス、珍しくてとても可愛いのですが、あのセンスは其一っぽさを感じるのは私だけでしょうか?(ちょっと細見美術館の「朴に尾長鳥図」を思い出させるのです)

 ともあれ、ファインバーグコレクション展は現在MIHO MUSEUMで開催中、その後10月に鳥取県立美術館へも巡回します。関西の皆様も、この機会にぜひ見に行ってみてください。

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コメント
そうなんです、私もあの十二か月花鳥図にはどことなく違和感を覚えたんです。抱一のエッセンスを何倍かに希釈したような感じで、緊張感が薄い印象で。量産しなくてはいけないし、忙しかったのかな?などと思ったりしていましたが、さすが千尋さん、細かいところまでよく観察なさっていますね!私はとてもそこまでは。
それでもまあ、すごく良かった、という感想を多く聞きましたから、抱一を好きになって下さる人が増えたということでまずは良しとするかな、とも思いますが。
【2013/08/05 21:46】 | みけ #- | [edit]
こんにちは、コメントありがとうございます。そしてお返事が大変遅くなってしまいすみませんでした。
抱一さんの十二ヶ月花鳥図は何通りかありますが、基準作と言われる宮内庁本と比べるとやはりファインバーグ本は少し違う感じがしますね。とはいえあれはあれですっきりとした気品のある作品で、特にカケスはちょっと違和感はあるものの可愛かったです。
ともあれ最近は、何だか熱心な女性ファンを見かけることが多いです。さすが抱一さん、現代でももてもてですね。
【2013/08/26 22:24】 | 飛嶋千尋 #- | [edit]












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【2013/08/04 22:10】
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