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輝く瑠璃色 酒井抱一と江戸琳派の全貌(3)

 2011/11/23(Wed)
  
酒井抱一と江戸琳派の全貌酒井抱一と江戸琳派の全貌
(2011/09)
酒井抱一展開催実行委員会

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 今月前半は風邪ですっかり体調を崩してしまい、ぐったりしている内に酒井抱一展も終わってしまいました。(涙) おかげで後半の展示は一回しか行けなかったのが残念ですが、ともあれ遅まきながら今回の見所と感想など。

・「四季花鳥図巻」(東京国立博物館)
 この絵巻は比較的展示や貸出の多い作品の一つで、その意味では特に目新しさはなかったはずなのですが、今回は今までにない照明による効果に一番驚かされました。最高級の顔料を使っているという色の美しいこと、中でも群青の発色がとりわけ素晴らしく、目を凝らすと朝顔や露草の青い花が何ときらきら光っているのです。(!) 確かに日本画の顔料は絵の具それ自体もとても美しいものですが、ああいう古い時代の絵画で顔料の粒子があんなにきらきら輝いているのを見たのは初めてで、本当に驚きました。(ちなみにもちろん、「夏秋草図屏風」の水の流れもやっぱりきらきらしてました)

・「夏秋草図屏風」(東京国立博物館&出光美術館)
 言わずと知れた今回の真打ちで、私にとっても一番好きな抱一作品ですが、今回ついに!抱一追っかけ歴16年にして初めて、本絵と下絵が二つ揃った姿で見ることができました。(スタッフの皆様ありがとうございます!)
一見殆ど違いのない二点ですが、両方同時に並べて見ることで、完成品と下絵の微妙な違いをじっくり観察することができたのは実に貴重な機会だったと思います。特に判りやすいのは舞い上がる紅葉した葉の位置ですが、それ以外にも葉や枝のしなり具合など、結構あちこち変わっているのですね。

・「五節句図」(大倉集古館)
 これも抱一晩年の大和絵の代表作として有名で、ばらばらでなら大倉集古館で見たことがありますが、五幅すべてが一度に揃った姿を見るのはこれまた初めてです。いわゆる「琳派」様式には含まれないこともあり、やはり滅多に拝見できないだけにずっと気にかけていたので、長年の念願が叶って感激でした。(また抱一さんの大和絵は、さすがに上品で大変美しいのです)

・浮世絵各種
 細見美術館さんの「松風村雨図」は既にお馴染みですが、それ以外の作品をこれだけまとまって見たのは大琳派展以来です。(中でも「美人蛍狩図」の出展は本当に久しぶりなんだとか) 改めて見てもなかなかの力作揃いで、これが最も若い頃の作例だというのがまた驚きですが、やはりお父さんやお兄さんと比べても抱一さんの画才は際立っているなと感じました。(でも母方の叔父さんも大変お上手で驚きました)

・ミニ短冊&画帖
 ある意味今回特に人気を集めていたと思われるこの愛らしい二つの小品は、私も思わず目が釘付けになりました。掛け軸や屏風のような大物は庶民には持て余すだけですが、こんな可愛らしい作品ならぜひ欲しいです!

・「十二ヶ月花鳥図屏風」(香雪美術館)
 これは長年画集などで見るたび気になっていた作品で、今回の大回顧展で出てくれたのは大変嬉しかったです。そして画集ではちょっと写りが悪そうに思っていたのですが、実物は非常に保存状態良好で驚きでした。
 …もっとも実を言うと、同じような十二ヶ月花鳥図シリーズの中で、この作品が一番抱一っぽくないような気がしています。解説によるとこのタイプの作例としてはかなり早い可能性があるそうで、だからなのかもしれませんが、5月・6月・11月がどうも引っかかるのですよ。特に5月の燕子花と水鳥の絵、あの光線の描き方は其一に顕著なもので抱一さんは殆どやっていなかったと思うんですけど、どうなんでしょう…?


 さて、今回これだけたくさんの抱一作品を全国から集めていただいて言うのも恐縮なのですが、それでもやはり「非参加で残念だった組」というのも少なからずありました。というわけで、個人的に密かに期待していた数点について、ちょっとだけ触れておきます。

・「山桜に帰雁図」(林原美術館)
 この三幅対の作品はちょっと珍しいタイプの構図で、すっきりと品のある趣に惹かれて気になっていた作品のひとつでした。それで今回も期待をかけていたのですが、何と今年の2月に親会社?の林原が経営破綻してしまったのです。一体美術館はどうなるんだろうと心配していたところ、この秋の美術館ニュースでどうやら存続が決定したというお知らせがありほっとしましたが、そのためかどうか「山桜~」は今回出展とはならずちょっと残念でした。さすがに岡山まではなかなか見に行けそうにないので、何かの機会に貸出してくれることを期待します。

・「水仙図屏風」(逸翁美術館)
 先日の虞美人草でも触れましたが、これまた滅多に会えない幻の作品です。(もっとも所蔵する逸翁美術館では、それなりに出ているようですが) 私の手元にある2005年のチラシは右隻の写真しかないので、いつかもう一度見て今度は左隻もしっかり記憶に焼き付けておきたいのですが、再会はいつになるでしょう…

・「紅白梅図屏風」(出光美術館)「波図屏風」(静嘉堂文庫美術館)
 抱一作の銀屏風の大作として、夏秋草図に次ぎよく知られた二点ですが、実は夏秋草図とこれらを合わせた三点が一堂に会することは大変稀です。なので今回は密かに期待をかけていたのですが、実現せず残念でした。
なお三点の所蔵館では、静嘉堂さんは会場のキャパから考えてちょっと厳しそうな気がするので、出光美術館さんにぜひ頑張ってほしいです。(風神雷神三点揃いもやったんですし!)

・「月に秋草図屏風」
 抱一作品の中でも「夏秋草図屏風」と並んで重要文化財指定を受けているこの金屏風も、何故だか滅多に美術展に出てこない幻に近い作品です。私が実物を見たのも、過去16年で2004年の琳派RIMPA展と2008年の大琳派展の2回きりですし、それに大琳派展の図録に所蔵者が明記されていなかったのもちょっと気になるのでした。2004年時点ではペンタックス所蔵だったのですが、今も変わっていないのかどうかちょっと不安です…


 以上、本当はまだ色々書き足りないのですけれど、あまり時間がたつと細かいことを忘れてしまいそうなので駆け足で報告でした。なお講演会第3回のレポについては、後日また改めてお届けいたします。


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