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バロックの女神と天使

 2010/07/28(Wed)
 7月16日(金)、国立西洋美術館にて開催中の「カポディモンテ美術館展」(2010.6.26-9.26)へ行ってきました。

 このカポディモンテ美術館、今まで名前を聞いた憶えはなかったのですが、出品作の中にアルテミジア・ジェンティレスキの「ユディトとホロフェルネス」があると聞いた瞬間、これは絶対行かねば!と思いました。というのも、大分昔に若桑みどり氏の本で彼女の波乱の生涯についてほんの少しですが読んだことがあり、その時からアルテミジアには興味があったのです。そして実際、初めて目にした実物のユディトは聞きしに勝る迫力で、残酷などという月並みな言葉では表せないような凄まじさに息を呑みました。画家本人にとってこの絵がどんな意味を持つものだったかを知らない人でも、あの鬼気迫る劇的な一瞬を捉えた絵にはきっと圧倒されずにいられないでしょう。

  アルテミジア・ジェンティレスキ「ユディトとホロフェルネス」
  アルテミジア・ジェンティレスキ「ユディトとホロフェルネス」

  
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 ところで今回、主にポスターなどに使われていた「貴婦人の肖像(アンテア)」ですが、最初にチラシを見た時から何だかどこかで見たような…という気がしていました。作者がパルミジャニーノだというのは一目で判ったものの、それまで知らなかった絵のはずなのに、何だか不思議と見覚えがあったのです。しかし美術展で実物を前にしても、やはりその疑問は解決しないままでした。
 ところが後日、たまたまDVDを整理していた時にふと久しぶりで昔の「日曜美術館」を見て、あっと思いました。憶えがあるのも道理、あの絵はジョゼフ・コーネルの箱のひとつ「無題(ラ・ベラ[パルミジャニーノ])」に使われていたものだったんです。しかもこれ、つい最近まで川村記念美術館でこの作品を見る機会があったのですが、うっかり見逃してしまったのでした…がっくり。

  パルミジャニーノ「アンテア」
  パルミジャニーノ「貴婦人の肖像(アンテア)」

  参考リンク:ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎(川村記念美術館)

 ともあれ、思えばコーネルの作品は他にもブロンズィーノのメディチ家の王子・王女たち等、マニエリスムの肖像画を好んで使っていた憶えがあります。ああいう美しいけれどもどこか冷たい印象の仮面めいた表情が彼の好みだったのかなと、後でアンテアのポストカードを見ながら改めて思いましたが、確かにコーネルのあの時間が凍ったような世界には似合っていますね。

 最後にもうひとつ、今回特に惹かれた作品はバルトロメオ・スケドーニの「キューピッド」です。
 殆ど暗闇に近い夜の風景の中、スポットライトを浴びたように浮かぶ幼い天使は、ふっくらとあどけない顔形とは裏腹にどこか大人びたまなざしでこちらを見つめています。軽く頬杖をつくような仕草はロダンの「考える人」やデューラーの「メランコリア」にも少し似ており、物憂げに思索に耽るような表情が不思議な魅力をたたえていて、その子どもらしくなさに何とも言えず惹きつけられました。傍らの地面と木の上にはお馴染みの弓矢がありましたが、あの天使は一体何を思っていたのでしょうね。

 そうそう、忘れるところでしたもうひとつ、フランチェスコ・グアリーノ「聖アガタ」も見た瞬間どきりとした作品でした。
 乳房を切り落とされて殉教したという聖女アガタを描いた作品はもうひとつありましたが、胸元の白い衣に滲む血の紅が直接的な描写よりもよほど生々しくて、冷たくこちらを見下ろすような表情と共にぞくっとさせられます。殉教聖女の絵は今まで随分見てきましたが、こういう戦慄的な印象を感じた絵は初めてでした。

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