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夏の雨、秋の風

 2010/07/07(Wed)
 現在東京国立博物館常設展にて、酒井抱一の代表作「夏秋草図屏風」が展示中(2010.6.29-8.8)です。2008年の大琳派展以来久しぶりのお目見えとあって、早速7月4日(日)の午後に行ってきました。

  夏秋草図1
 酒井抱一「夏秋草図屏風」(紙本銀地着色、重要文化財)

  「もと尾形光琳の風神雷神図屏風の裏面に描かれていた。
   雷神の裏には、驟雨にうたれる夏草を、
   風神の裏には、野分に吹き流される秋草が
   銀地に描かれて、光琳の金地画面に呼応している。
   第11代将軍家斉の父で、徳川御三卿の一橋家当主、
   治済に依頼されたもの。」(キャプションより)

 この作品は元々東博の所蔵品で、嬉しいことにここの場合、常設展なら写真も撮り放題です。(※ただしフラッシュは禁止) つい先日も常設展をふらついていたら光琳の国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」に遭遇、大喜びで撮影したのは言うまでもないですが、今回はそれ以上に大好きな抱一さんの夏秋草図とあって、片っぱしからクローズアップで撮りまくってきました。


  夏秋草図2
  優美極まりない水の流れ。平安王朝の十二単を纏った女性の黒髪を思わせます。


  夏秋草図3
  重なり合う薄の向こうに見え隠れする白百合。繊細な透かしの美学。


  夏秋草図4
  激しい野分に吹き乱れる秋草。緑の薄に、色づいた蔦の赤が鮮やかに映える。


  夏秋草図5
  白い葉の裏を見せる葛と、はかなげな薄紫の藤袴。
  よく見ると、藤袴の花は細かい蕊まで描きこまれています。


  夏秋草図6
  風に舞うしなやかな葛のつると、紅葉した蔦の葉。


 最初の印象では、「紅白梅図屏風」のような大胆に図案化された光琳に比べると、抱一の「夏秋草図屏風」の描写は比較的リアルで写実的なようにも見えます。けれども全体の構図や細部によくよく眼を凝らしているうち、実は抱一の世界は実に緻密に計算し尽くしてひとつひとつのモチーフを配置した、現実の世界以上の理想的な美を表現しようとしたものなのではないかな、という気がしてくるのですよね。敬愛した光琳の「風神雷神図」の裏に直接そのオマージュとして自らの作品を描いたという、何とも羨ましいエピソードのドラマチックさもありますが、この絵の華麗でいて憂愁、繊細でいながら同時に大胆な相反する要素を併せ持つ魅力は、これが「風神雷神図」の裏屏風でなかったとしてもきっと心惹かれたと思います。

P.S
 書き忘れてましたが、7月10日(土)の「美の巨人たち」は、ずばり「夏秋草図」です。お楽しみに!

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