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黄泉の国の金と銀

 2009/11/23(Mon)
 11月22日(日)、茨城県水戸市の茨城県立歴史館へ「かがやきにこめた権威と荘厳 金と銀の考古学」(2009/10/10-11/23)を見に行ってきました。

  金と銀の考古学

 2009年は古墳絡みで色々と当たり年でしたが、その最後を締めくくることになったのがこの特別展です。東京ならいざ知らず、地方の美術館や博物館の展示となると近場でもない限り大概は見逃してしまうのですが、今回は偶然チラシを目にして会期終了ぎりぎりに何とか駆けつけることができました。
 で、私は今回初めて知ったのですが、元々茨城県立歴史館は上のチラシにも載っている「金銅製馬型飾付冠(行方市三昧塚古墳出土)」を所蔵している博物館です。本物が一番手に展示されていたのはもちろんですが、会場入り口に往時の姿を復元したまばゆい金色の冠が展示され、さらに同じく復元の冠や飾り帯、剣などを身につけた豪族のマネキン(笑)も珍しくてとても目を引きました。純金でこそないものの、あれだけの華やかな金色を全身に纏った姿は古代であればなおのこと、眩いばかりの威厳として人々の目に映ったことでしょうね。

  金と銀・入口
  (会場入り口。右端に展示されているのが復元の冠)

  金と銀・豪族のマネキン
  (当時の豪族の人形。剣もちゃんと抜けます。笑)


 ともあれこの三昧塚出土の冠、よく見ると本体の上にずんぐりした馬が並んでいます。一風変わったデザインですが、何だか愛嬌があると言うか、群馬の金冠塚出土の新羅風冠とはまた違った趣で面白かったですね。

  金と銀・三昧塚出土冠
  (金銅製馬型飾付冠。お馬さんの行列が可愛いかも?)


 なお、古墳から出土した金銅製冠はこれだけではなく、他にも九州からは熊本県江田船山古墳の冠が二つ、福井県から二本松山古墳の冠がひとつ、また栃木県小山市の古墳からも冠ひとつが展示されていました。ただし熊本と福井の冠はすべて複製でしたが、江田船山古墳の冠はその前の週に東博で実物を見ていたので、(「本物」を代理と言うのも変ですが)写真を以下に載せておきます。


  江田船山古墳の金銅製冠
  (江田船山古墳出土冠。左が百済風の金銅製透彫冠、右が伽耶風の金銅製冠)

 また手持ちの写真がないので載せられませんが、福井の冠は現代のお雛様によくつけている金色の釵子とそっくりで、この形ってこんなに古いものだったのかと驚きました。それに対して栃木の冠は、こう言っては何ですが某「太陽の塔」そっくりのシルエットで、連想した瞬間つい笑ってしまいました。


 ところでユニークな形の冠と言えば、奈良の藤ノ木古墳も忘れてはいけないひとつですね。今回は残念ながら冠の展示はなかったものの、あの有名な金色の馬具(一式すべて国宝)の部品の一部や鞍の複製なども展示されていました。
 藤ノ木古墳の出土品は以前一度見たことがあるのですが、何しろかなり昔の話で大分記憶もあいまいだっただけに、一部分とはいえ再会できて感激でした。また群馬県からは高崎市の綿貫観音山古墳出土品、千葉県からはその名も美しい金鈴塚古墳からの出土品が多数出展していて、これだけまとまった数の品を一度に見られるのはなかなか貴重な機会だったのではないかと思います。また復元品も思った以上に多く、本物でないのは正直ちょっと残念ではありましたが、あれだけたくさんの復元を見られたのもこれはこれで珍しく面白い体験でした。

 中でも面白かったのが飾履で、実はこれまた東博で既に江田船山古墳出土の金銅製飾履(重文)の実物を見ていました。ところが今回は大阪の近つ飛鳥博物館・群馬のかみつけの里博物館からそれぞれ復元品が出展されていて、これが何と靴の表だけでなく、裏にも一面びっしり歩揺が飾られているのです。これってどう見ても歩けるとは思えないよねえ、というような代物でしたが、そういえば東博で見た実物は、肝心の歩揺が殆ど取れてしまっていたのですよね。恐らく儀式用などで特別に作られたものだろうとのことでしたが、なるほど、これは確かに実用には不向きだわ(笑)と大いに納得させられました。

  江田船山古墳・飾履
  (江田船山古墳出土・飾履。かすかに残る金色が往時を偲ばせます)


 そして今回、最も数も多く内容でも圧倒されたのは、何と言っても鉄剣です。金や銀で華やかに飾られた剣が実物・複製合わせて何と26、その他部分品のみのものも合わせれば30を越えるという凄さで、いやもう壮観でした。中でも象嵌銘大刀は、複製とはいえ石上神宮の七支刀、稲荷山鉄剣、江田船山古墳の銀象嵌銘剣等々の錚々たる顔ぶれで、また本物が展示されていた千葉の王賜銘鉄剣は嬉しいことに今回初めて実物を見ることができました。東大寺山古墳の剣のみはまだ実物を見ていませんが、これも東博所蔵とのことなのでいずれ対面できるのを楽しみにしています。

 なお後半にはずっと時代下って仏教関連の展示も色々あったのですが、とにかく今回は古墳マニアなら泣いて喜ぶだろう貴重な出土品の数々を一度に見ることができて、それほど広い会場ではなかったのですが満腹の大満足でした。同時に東博平成館の常設展を何度も思い出し、平常展示であれだけの内容をさらっとしてのける東博の凄さにも改めて溜息が出ましたが、こんな風にじっくりみっちり堪能できるのも特別展ならではの楽しみですね。今年は群馬の埴輪と茨城の金と銀でたっぷり楽しませてもらったので、来年またどこか地方の博物館等で素敵な展示があることを期待します。

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