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自らの天を目指して

 2009/11/08(Sun)
  琳派展XII 鈴木其一


 11月1日(日)の2番手は、京都国立近代美術館(ボルゲーゼ美術館展)のすぐお隣に位置する細見美術館へ向かいました。お目当てはもちろんこの時期毎年恒例の「琳派展XII」(2009/09/29-12/13)、今年のテーマは鈴木其一です。以前酒井抱一と師弟共同の展示はありましたが、今年は満を持しての初登場だけあって、お馴染みの「朴に尾長鳥」「水辺家鴨図屏風」等の他にも、今まで殆ど知らなかった作品がたくさんあってちょっとびっくりです。細見さん自身の所蔵も凄いですが、それ以外の個人所蔵品にもあんなに多様な作品があったなんて、嬉しい驚きでした。

 さてこの鈴木其一という画家、昔は琳派三巨匠の一人と言われる師匠抱一の陰に隠れてあまり名前を知られていなかったそうですが、最近は徐々に知名度が上がってファンも増えているようです。根っから抱一ファンの私などは初期の殆ど師匠の模倣に近い頃の作品に好みのものが多いのですが、独立して己の画風を確立してからの明快でシャープな独特のセンスは違う意味で目を惹かれるものがありますし、特に若冲ファンには好みに合うんじゃないかと思うのですよね。
 ともあれ、今回の展示も琳派風ながら其一らしさも伺える作品が色々ありましたが、その中で「昇龍図」という掛け軸のキャプションにふと目がとまりました。その名の通りまっすぐに天へと駆けのぼる龍を描いた水墨画なのですが、「(この龍は)師の影を越え、自らの天を目指す其一自身の姿ではないだろうか」とありまして、なるほどうまいことを言うなと思わず唸ったものです。以前にもちらっと触れましたが、彼が抱一を越えようとしていたかどうかはともかく、師匠とは違う新たな世界を切り開こうとしていただろうことは今に残る作品からもよく伺えますし、其一だけでなく光琳や抱一等も同様に、亜流に留まらない自身の画風を確立したからこそ「琳派」の継承?に成功したのでしょうね。(なお付け加えれば、その後同じような意味で後継者となりえた最後の画家は神坂雪佳だと思います)

 それにしても、2004年の琳派展(国立近代美術館)や先日の菱田春草展(明治神宮)でも思いましたが、琳派という流派(と見ることを疑問視する人もいますが)は本当に不思議で面白い流れです。確かに狩野派や土佐派を見ても、いかに偉大な先達がいてもそれをただ崇め奉るだけではつまらない模倣に終わってしまいますし、なまじ「流派」という確固たる枠組みに縛られていなかったからこそ、こだわりなく自分なりの自由な解釈で新しい世界を作り上げることができたのだとしたら、光琳や抱一はある意味非常に幸せな画家だったのかもしれません。もちろんそこに至るまでには様々な苦難や葛藤もあったでしょうが、光琳の「紅白梅図屏風」や抱一の「夏秋草図屏風」、そして其一の「朝顔図屏風」にはそれを成し遂げた彼らの達成感と自負が満ちているように感じます。

 そうそう、今回ちょっと面白かったのが、入ってすぐの第一展示室にかけられたご挨拶のパネルでした。文章はごく普通の内容だったのですが、パネルの下に「水辺家鴨図屏風」のアヒルたちがよちよち行進していて、これがまた何とも微笑ましく可愛らしかったのです。あいにく館内は撮影禁止なので写真には撮れませんでしたが、あのパネル撮影したかったわー(笑)


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    細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3) 「琳派展12 鈴木其一 - 江戸琳派の風雲児 - 」 9/19-12/13(前期:9/19-10/25 後期:10/27-12/13) 定評のあるコレクションにて鈴木其一の多様な画風を探ります。細見美術館で開催中の「琳派展12 鈴木其一 - 江戸琳派の
【2009/12/19 15:53】
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