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超絶技巧な工芸の世界

 2009/10/22(Thu)
皇室の名宝展・第一期

 10月18日(日)、東博の「皇室の名宝展(第一期)」(2009/10/06-11/03)へ行ってきました。
 今回は10年前の御即位10年記念展以来久しぶりで拝見する作品も多く、とりわけ大好きな酒井抱一の「花鳥十二ヶ月図」は一番の楽しみでしたが、少し遅れて9時40分に到着した時には既に平成館の池の手前まで大行列…阿修羅の時ほどではなかったようですが、とはいえ少々読みが甘かったです。とほほ。

 ともあれ、いざ入場すると前半の絵画エリアは早くも大混雑とのことで、後半の工芸品エリアへと足を向けました。例によってこちらも十年前やその後の美術展で見たことのある作品がちらほらありましたが、皇室所蔵とあって普段はあまりよく判らない工芸品も素晴らしい一級品揃いで、いやもう圧巻という他ありません。高村光雲の可愛らしくもリアルな鶏、旭玉山の十二単姿も素晴らしい象牙細工の官女、他にも蘭陵王や萬歳楽など、いずれも精緻を極めた細工の見事さにただただ溜息しか出ませんでした。しかもさすが皇室所蔵というべきか、何だかどれを見てもとても上品な作品ばかり揃っている感じで、感心しながらも何だかちょっとおかしかったです。
 さて、その工芸エリアの中でも一際強烈に印象に残ったのは、名工・濤川惣助の「七宝月夜深林図額」でした。一見したところはモノクロトーンのむしろ渋めの作品で、最初遠目で「あ、好みの水墨画がある」と思って近づいたら、「え、これ七宝!?」とびっくり仰天。そういえば7/4放送の「美の巨人たち」で彼の代表作「迎賓館花鳥図」をを取り上げた際、あの作品も紹介されていましたが、本当に間近で実物を見ても七宝だとはとても思えないんですよ。その迎賓館は先日晴れて国宝に認定されたばかりですが、あの花鳥の間もぜひ一度見てみたいです。
 
 というわけで、前半だけでも圧倒され続けて早くも気疲れしつつ、ようやくお待ちかねの絵画エリアへ移動しましたが、こちらはこちらで負けず劣らずの名作揃いでした。何だかやっぱり(珍しく)上品な(笑)海北友松、永徳・常信の狩野派合作唐獅子等々も素晴らしかったですが、若冲の三十幅一挙お目見えはただでさえあの鮮やかな色彩に加えて量が量だけに、大分くたびれてきていた目には正直ちょっときつかったです。(苦笑) おかげで次の部屋で念願の抱一さんにやっと辿りついた時はほっとしましたが、若冲人気に押されているかと思ったらなかなかどうしてこちらも結構な人気だったようで、後で絵葉書を買いに行ったら1~6月分が品切れでした。(笑) 嬉しいような残念なようなちょっと複雑な気分でしたが、幸い同じ絵柄の卓上カレンダーがあったので、もちろん喜んで買いました。
 ともあれ、あの花鳥十二ヶ月図のシリーズは出光所蔵の屏風を始め色々と見ていますが、中でもあの宮内庁本は何度見ても、一際すっきりと典雅な美しさに本当に惚れ惚れします。去年の大琳派展で里帰りしたファインバーグ本も非常に保存状態良好で素晴らしいものでしたが、あちらはところどころにちょっと其一っぽさが見えるような気がしたけれど、宮内庁本は無駄のない構図やしなやかな線の流れ等に抱一の真骨頂が如何なく発揮されていて、あれが基準作とされるというのが改めてよく判った気がしました。多分あのシリーズも工房作品としてかなり代作もさせたのでしょうが(苦笑)、あれは十二幅全部ご本人が手がけたものであってほしいですね。

 それから、今回は何故だか孔雀をモチーフにした絵画も多かったですが、中でも度肝を抜かれたのが荒木寛畝の作品です。抱一と同じ部屋にあった応挙の孔雀もとても美しかったですが、荒木寛畝の孔雀は西洋風の立体的な技巧を取り入れつつ、華麗な尾羽の細い筋の一本一本に細かく生える毛までも細密に描いていて、肉眼で見ても凄いですが単眼鏡で覗いてさらに仰天、その緻密さにこれまた気が遠くなりそうでした。かの有名なデューラーのウサギといい勝負なんじゃないかというような凄まじいばかりの描写で、少なくとも私が今まで見た孔雀の絵の中では、文句なしにあれが一番凄かったです。(なおこの荒木寛畝、後で調べたら何と例の「迎賓館花鳥図」作成の候補に並河靖之と共に挙がっていた人だったのですね)

 あ、もうひとつ忘れていましたが、最後に今回やっと念願叶って実物と対面できたのが上村松園の「雪月花」でした。松園作の平安時代風女性図というのはあまり多くなく、中でもあの三幅対は伊勢・源氏・枕と揃った由緒正しい平安時代の画題なので、長いこと憧れの作品だったのです。何と二十年がかりで描いたというのは今回初めて知りましたが、華やかな十二単の衣装と豊かに流れる黒髪、そしてそれをほんのりと透かす薄絹の裳が何とも美しくて、これまた溜息でした。抱一と孔雀とあの松園はできればあともう一度見に行きたいと思っているのですが、会期中に時間取れるかなあ…?

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コメント
こんばんは。尚蔵館本の全幅展示は圧巻でしたね。
動植綵絵が東京に全て揃ったのは大正以来とのことですが、
抱一の方はいつぶりなのでしょうか。そんなことも気になりました。

>カレンダー

あれは嬉しかったです!即決で購入しました。
【2009/10/27 22:03】 | はろるど #GMs.CvUw | [edit]
はろるどさんこんばんは、いつも貴重な情報ありがとうございます。
抱一の尚蔵館本花鳥十二ヶ月図は、私が最初に見たのはちょうど10年前、やはり東博の
「皇室の名宝 美と伝統の精華」で、全幅揃ったところはその時以来ではないかと思います。
畠山のシリーズに至ってはまだ全幅見てすらいませんし、若冲といいああいう数の多い作品は
(スペースの都合もあるでしょうが)展示機会自体が少ないのがちょっと辛いですね。

ところでカレンダーで思い出しましたが、確か10年前には抱一の絵柄で壁にかけるタイプの
大きなカレンダーが販売されていました。当時はもったいなくて使いませんでしたが、古い
カレンダーをひっくり返せば今でもどこかに埋もれているはずです…(笑)
【2009/10/27 23:13】 | 飛嶋千尋 #- | [edit]












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