三度目のラリック

 2009/07/12(Sun)
  ラリック展


 昨日7/11(土)、国立新美術館の「ルネ・ラリック 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ」(2009.6.24-9.7)へ行ってきました。
 ラリックは過去2回、1992年(国立近代美術館)と2000年(横浜そごう&庭園美術館)で大規模な美術展を見ており、今回で三度目なので、その意味では目新しいものはあまりなかったりします。とはいえ10年おきくらいのペースとなるとさすがにこちらの記憶も大分怪しくなっていて、帰宅してから図録を引っ張り出してみたところ、昔見たはずなのにすっかり忘れてしまっていたものが随分ありました(苦笑)。まあそれはそれで新鮮な気分で楽しめましたが、さすがにインパクトの強さでよく覚えていた雄鶏のティアラは実に1992年以来の再会だったので、これは懐かしかったです。ラリックのジュエリーと言ったら、やっぱりあの雄鶏か蜻蛉の精に尽きますね!(そういえばこの二つを一度に見たのは1992年だけでした)

  
もっと知りたいルネ・ラリックもっと知りたいルネ・ラリック
(2009/05)
鈴木 潔

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 ↑この「蜻蛉の精」もグルベンキアン所蔵の逸品。
 確か2001年のアールヌーヴォー展(東京都美術館)以来ご無沙汰中。

 さて今回、ものがラリックですので出品数は例によって大変多かったのですが、展示会場は全体に非常にゆったりした印象で、何だかちょっと広すぎるような気さえしてしまいました。朝一番でまだ空いていたせいもあったかもしれませんが、カーマスコットのコーナーは特にだだっ広い感じで、前半のジュエリーで小さな作品たちをじっくりみっちり見た後だけに「え、こここれだけ?」というのが正直な感想です。いや、ど真ん中にクラシックカーなんて置いてるから無理もないのですが、それにしてもあんなにスペースがあるのに記念撮影できないのが実にもったいなかった…
 また所蔵者名を見ていて特に目についたのが、今まで知らなかった滋賀県の成田美術館で、関西にあれほどたくさんラリックを持っている美術館があるとは全然知りませんでした。関東で有名な箱根のラリック美術館は今回特に出品がなかったようですが、あそこを抜きにしてもあんなにコレクターがいるなんて、日本でのラリック人気も凄いんですね。
 ところで今回の展示は全体にごくシンプルに押さえていたようで、ジュエリーや花瓶はともかくテーブルウェアなどはもう少し凝った展示でもよかったんじゃないかなとも思いましたが、そんな中で一際圧巻だったのがアール・デコ博覧会の噴水塔の作品群でした。あの「噴水の女神」シリーズは今までにもいくつか見てきましたが、あれだけの数を一度にというのはさすがに初めてで、あの一か所だけでも今回見に行った甲斐があったと思います。よく見ると一体一体のデザインも微妙に違っていて、あれで光が入ったらさぞかし幻想的に美しいのだろうなあと、当時の写真を見てまた惚れ惚れさせられました。また当時のドレスに実際にジュエリーをつけた様子を見るのも初めてで、これまたとても素敵でしたが、ああいう試みは庭園美術館でやってほしかったなーと思ったのはここだけの話です(特にフォルチュニィなんて見ちゃったら尚さら。笑)。

 というわけで、久しぶりにどっぷりと頭のてっぺんまでラリックに漬かって大変幸せなひと時を過ごしてきましたが、個人的に難点が二つ。
 今回ジュエリーのデザイン画も多く、しかも完成品も揃っていてとてもよかったのですが、デザイン画と完成品がみんなとても離れた展示になっていて、両方を一度に見比べることができなかったのが不便で残念でした。デザインだけで完成品がないならまあ仕方ないと思いますが、せっかく両方揃っているのだから、もっと見やすい配置にしてほしかったです。
 そしてもうひとつ、図録は今回写真映りもよく大変気に入ったのですが、例の雄鶏の写真がどーんと見開きになっていまして、おかげで写真も真っ二つなのです。いくら大きくてもこれじゃあちょっと嬉しくないよ、というわけで、白地にケシの表紙ではなく黒地に雄鶏の表紙の図録を買ってきました。ケシも綺麗だったし大好きなのですが、あの雄鶏は見開きじゃない方が逆によかったと思います…

 ともあれ、まだまだ始まったばかりですし、夏休みに入れば一気に混むでしょうが、いずれ時間を見つけて最低もう一回は見に行こうと思います。そして箱根もまた面白そうな展示情報をもらってきたので、またオリエントカーでお茶してきたいですね。


  今回のおまけ:

  ラリック1992&2001

  左が1992年、右が2001年の図録。今でも宝物です。

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コメント
こんばんは。

今回は場所の力を借りずに
作品力だけで見せていたのが
逆に新鮮でした。

グルベンキアン所蔵の作品
目利きですよね~
【2009/07/14 18:47】 | Tak #JalddpaA | [edit]
>Tak様
 こんにちは、いつも事前情報ありがとうございます。今回会場が広く感じられたのは、装飾や演出を敢えて抑えていたせいもあったかもしれませんね。特に後半、何だかとても明るくてちょっと驚きました。
 それにしても、毎回グルベンキアンの凄さには本当に圧倒されます。質が高すぎて逆になかなかまとめて来てくれないのがちょっと辛いところですが、そのうちまた蜻蛉の精にも会いたいです。


【2009/07/14 22:46】 | 管理人 #- | [edit]
思ったよりたくさんの展示物で「ここってこんなに広かったっけ?」と思ってしまいました。3連休前ですいていたのかもしれませんけど(ほぼ同時刻開かれていた野村仁展のトークショーがガラガラだったのが可愛そうでした)
今回は幅広い作品で時代は池も分かってとても楽しかったです、ラリックはジュエリー系が好きですが、テーブルセットは魅入ってしまいました。あれが庭園美術館にあったら確かにうっとりするほどはまったでしょうね~。でも図録の写真写りは悪いし、絵葉書も点数が少ないのが残念です。
あと「個人蔵」が多かったのにも驚きました。商業品はわりと手に入れやすい(アンティークショップでも取り扱っている)とは聞きましたが。ラリックはやはり日本人好みですね。

【2009/07/17 23:06】 | 辻 綾子 #ubMhLScI | [edit]
>辻さん
こんにちは、お久しぶりです。はい、展示品が小さいせいか広く感じましたよね。そしてガラスはともかく、ジュエリーも個人蔵が多くて羨ましい限りです。(もっともブローチや指輪はともかく、ティアラ等はさすがに実用には向かないでしょうけれど)
ところで辻さんは、箱根のラリック美術館は行ったことがあったでしょうか? もしなければ、あそこはジュエリーも多くてお勧めなのでぜひ一度行ってみてください!
【2009/07/18 16:00】 | 管理人 #- | [edit]












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【2009/07/14 18:43】
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