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絵画の中のモード

 2009/06/27(Sat)
  
ファッションから名画を読む (PHP新書)ファッションから名画を読む (PHP新書)
(2009/02/14)
深井 晃子

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 最近本屋でこんな本を目にし、何となく買ってみたのですが、読んでみたらいや実に面白かったです。元々泰西名画の中のファッションにはそれなりに興味はあったのですが、気合を入れてお勉強するところまではいかず、また判りやすそうな入門書も知らなかったので、今回は久々にいい本に出会えました。

 それにしても、この本を読んでみて改めて、本当に今まで自分が絵の中の人々の服飾について何も知らなかったんだということをつくづくと思い知らされました。

 例えば、ブロンズィーノの有名なこのメディチ家大公妃の肖像画。

  エレオノーラ・ダ・トレド
  (「エレオノーラ・ダ・トレドとジョヴァンニ・デ・メディチ」)
 
 エレオノーラの豪奢な絹のドレスの袖からちらちら覗く白いもの、これって何とリネンの「下着(シュミーズ)」なんだそうです。わざと切れ目を作って下の布地を覗かせる「スラッシュ・ファッション」というものだそうで、この頃の王侯貴族の肖像画では嫌というほど見かけますが、まさかそんなものだとは知りませんでした。
 この他にも、ナポレオン時代に流行したモスリン・ドレス(レカミエ夫人のあの悩ましい衣装です)や、印象派以降一気に花開いた人口染料、一人では身につけられないコルセット等々、女性はもちろん美術好きの男性にも十分楽しめる内容ではないかと思います。なおこの本で取り上げているのはもっぱら西洋、特にイタリアやフランスが中心ですが、こんな風な解説付きであれば、風俗画という意味では近い日本の浮世絵ももっと面白く見られるのかもしれないなと思いました。

  レカミエ夫人
  (本で紹介されていたのはダヴィッドの絵でしたが、敢えて贔屓のジェラール作をご紹介)

 ところで、第5章「ディテールは語る」では16世紀のヴェネチアのモードの話が出てきますが、当時は「カルカニーニ」という高い上げ底サンダルのような婦人靴が大流行していたそうです。著者は何故こんなものが流行したのか、その理由は判らないとしていますが、そこで思い出したのが例によって、塩野七生氏の「海の都の物語」でした。

  
海の都の物語〈3〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)海の都の物語〈3〉
ヴェネツィア共和国の一千年
(新潮文庫)

(2009/05/28)
塩野 七生

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 つい先日、念願の文庫版がようやく3巻分冊となりましたが、以前「ヴェネツィア女性のおしゃれ」でも紹介した第7話「ヴェネツィアの女」の中に、以下のようなエピソードがあったのです。

 1526年1月17日の元老院は、「贅沢取締委員会」の提出した議題を討議していた。それは、女たちの服の丈が長くなりすぎたので、それを法で規制しようというのである。(中略) ひきずる長さを、ある者は半ブラッチョ(90センチ)が適当だと主張し、またある者は、四分の一ブラッチョ(45センチ)で十分だという。議員たちはもう笑いだし、大笑いのうちに投票が行われた。多数決で決まった長さは、四分の一ブラッチョのほうであった。帰宅した議員たちは、さぞかし、奥方のふくれっ面に直面させられたことだろう。とはいえ、女たちはもちろんこんな法律に屈服しはしない。靴のかかとを高くすることによって、対抗したのである。


 というわけで、塩野説によればどうやらそもそもの目的は、ドレスの裾を少しでも合法的に長くするためというところにあったようです。私にはこれまた正直言って理解不能な世界の話ですが、ともあれそんなことを知った上で改めて向き合うと、よく知っていたつもりの絵でもまた色々楽しい発見がありそうですね。
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