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琳派400年(番外) 400年目の同窓会・美の巨人たち

 2015/11/24(Tue)
 10月の「美の巨人たち」は、4週連続琳派尽くしという豪華なスペシャルシリーズでした。
 まず本阿弥光悦の「舟橋蒔絵硯箱」、続いて光悦・俵屋宗達の「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」、さらにもう一つ宗達の「養源院杉戸絵」で、最後が酒井抱一の「夏秋草図屏風」です。何故か今回は尾形光琳が入っていませんでしたが、多分京都国立博物館の琳派展と合わせての内容ということで、そこに出ていない二大国宝の「燕子花図屏風」「紅白梅図屏風」は入れられなかったのでしょうね。

 さて、今回ちょっと驚いたのが、お馴染み大好きな抱一さんの「夏秋草図屏風」(10/31放送)です。
 以前にもここでご紹介しましたが、この作品は既に2010年の夏、美の巨人たちで取り上げられています。一度扱った作品が再登場というのもあまり聞きませんが、どうするのかなと思っていたら内容も完全な新作で再び驚きました。
 さらに前回は単独の扱いということもあり、光琳の「風神雷神図」との関連に留まる紹介でしたが、今回は琳派シリーズの最終回とあって、ドラマ部分は何と光悦・宗達・光琳・抱一の四人が現代に集まった同窓会という、珍しくも愉快な内容となっていました。最初に「琳派」と聞いて、宗達が「『光琳派』ってこと?」と尋ねると、「めめめ、滅相もない!!」と慌てふためく光琳が意外に?控えめだったり、かと思えば最初は「宗達・光琳派」だったと聞いて「そもそも、わしの名前が入っとらん!」と不満そうな光悦がやけに偉そうだったりというのも面白かったです。
 ちなみに抱一さんに扮したのは橋爪淳さんで、わざわざお髭を剃って、もちろん坊主頭(これは特殊メイク)でのご登場です。イメージは番組中でもたびたび出てきた鏑木清方作の肖像(もちろん想像ですが)でしょう、湊鼠のすっきりとした着流し姿が粋なたたずまいでした。

 さて内容は、記念すべき「第一回琳派サミット」(笑)において、抱一さんに対して他の三人がそれぞれ「夏秋草図」について質問するという形を取っています。

 ・光琳「何故、自分の「風神雷神図」の裏に描いたのか?」
 ・宗達「何故、草花を描いたのか?」
 ・光悦「何故、金地ではなく銀地だったのか?」

 これに対して、そもそもは(恐らく)当時光琳作「風神雷神図」を所蔵していた一橋治済(はるさだ)の依頼であったこと、風神に対して秋の風・雷神に対して夏の雨、天上の神々に地上の草花を対比させていたことを説明しつつ、抱一さんの生涯が合わせて語られていきます。もちろん抱一さんの熱烈な光琳追っかけぶりもばっちり紹介され、それに照れまくる光琳もおかしかったですね。
 さらに今回もお馴染み玉蟲敏子先生の解説が加わって、「銀地は月の光を表し、引いては亡き人を追慕するものである」ことが明かされますが、ここで面白かったのが琳派サミットの面々。「誰を追慕しているのか…もう、おわかりですよね?」という小林薫さんのナレーションに、宗達と光悦が「はて、一体誰を…?」「まったくわからん」と首を傾げると、その隣で光琳が肩を震わせ感涙に咽んで?いるのです。(笑) 光悦・宗達コンビは「ええー!? 光琳殿ー!?」と驚いていましたが、やっぱりここでも何だか光琳が妙に可愛くて笑ってしまいました。

 ところでこの琳派サミット、司会は「抱一の弟子」だという青年が勤めていたのですが、最後に彼が鈴木其一であったことが明かされました。番組で紹介された根津美術館所蔵の「夏秋渓流図」は京都の琳派展でも登場しており、師匠の抱一さんとはまた別の持ち味を発揮していった人ですが、やはり彼こそ抱一の一番弟子であると同時に、真の意味で琳派の後継者の一人でもあったと言っていいでしょう。劇中ではかなり若い頃の感じで、何だか初々しい雰囲気なのがやっぱりちょっと可愛かったです。

夏秋草図屏風(2013)
(2013年・東京国立博物館にて撮影)


 番組で登場した「夏秋草図」の映像は、京都国立博物館の特別展会場で撮影したもののようです。千尋は放送前に先に現地で見てきましたが、夏秋草図の展示場所は手前のガラスの繋ぎ目が微妙に両端に引っかかる感じで、何となく気になっていたのですね。
 とはいえ幸い最初の週末ということもあってか、閉館10分前には殆ど人もいなくなり、おかげさまで久々に独り占め状態でたっぷりと堪能させていただきました。東京でも何度も見ている作品ですが、やっぱり何度見ても惚れ惚れする美しさです。

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琳派400年(6) 華麗なる季節・山種美術館「琳派と秋の彩り」

 2015/11/20(Fri)
 今年の琳派四百年記念イヤーもそろそろ終盤ですが、今週はNHKの「歴史秘話ヒストリア」が尾形光琳で、チェックしそびれていた千尋はたまたまチャンネルを回してびっくり仰天しました。全編ドラマ仕立てというわけにはいかない関係もあって諸々端折られてはいましたが、光琳視点というのは思えば初めてで面白かったです。なおドラマ仕立てと言えば「美の巨人たち」でもちょっと意表を突く演出があってこれまた大変愉快だったので、その話はまたいずれ。

 さて、9月26日(土)と10月24日(土)の2回、山種美術館で開催の「琳派と秋の彩り」(2015/9/1-10/25)へ行ってきました。

 山種美術館さんも琳派作品を色々所蔵していらっしゃるところで、とりわけ酒井抱一好きには嬉しい美術館の一つです。今回もお馴染み「秋草鶉図屏風」がポスターやチラシになっていて、図録の表紙にも「菊小禽図」が使われるなど、まさに抱一が主役!という感じでした。

 なお今回は光琳はありませんでしたが、光悦・宗達は所蔵品の和歌短冊や槙楓図屏風に加えて、個人蔵の貴重な作品もたくさん出品されていました。また抱一作品も、2011年の大回顧展で見た「仁徳帝・雁樵夫・紅葉牧童図」や「寿老・春秋七草図」等のあまり見る機会のない三幅対やその下絵もあって、数そのものは琳派関連で30点弱ながらとても見応えのある内容でした。

 さて今回、一番面白かったのが抱一さんの「仁徳帝」の下絵でした。
 構図は三幅対の完成作と全く一緒で、他にも同じような作品があるそうですが、仁徳帝の側に控える女官?の衣装の柄が下絵と完成作では違うのです。まあそもそも仁徳帝の時代に平安の女房装束は明らかに変なのですが(笑)、下絵では裳の柄は松林なのに、完成作の方はかの「夏秋草図屏風」を思わせる群青の流れが小さいながらしっかり描き込まれていました。
 また下絵の御簾には「スシ(筋)金」と書き込みがあり、確かに完成作では緑の地に細い金泥の線が丁寧に書かれていて、小さな部分なのに非常に丁寧に細部まで手を抜かずに描いてあるのです。もっとも下絵に指示書き?があるということは、そうした単純な部分は弟子にアシスタントをさせたのかもしれませんね。

 ちなみに女房の裳に描かれた水流や、寿老人の衣の襟、秋草の朝顔の花などはやはりいい顔料を使って描いたものらしく、少し角度を変えて見ると、ごく小さな部分なのに照明で群青がきらきら光っているのがはっきりわかりました。以前千葉市美術館で初めて見た時はびっくりしましたが、あの群青色は本当に綺麗で、何度見ても惚れ惚れします。

 それにしても、抱一さんの絵は宗達や光琳と比べても独特の何ともいえない典雅な気品を湛えていて、こういう点が女性ファンの多い由縁なんだろうなといつも思います。春秋七草の春の絵など、抱一さんの手にかかるとペンペン草ですら優雅に見えてしまうのですよね(笑)。

 ともあれ、今年訪れた琳派展は他にもサントリーの乾山展、京都国立博物館の琳派展、京都国立近代美術館の琳派イメージ展、そして静嘉堂の金銀展と、まだまだレポートを書かなければいけないものが盛り沢山でちょっと大変です。何とか今年中に一通り書いておきたいと思うのですが、京都の国立博物館・国立近代美術館は共に11/23で終了ですので、見逃している方はどうぞお早めに。

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