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梅一輪

 2012/02/23(Thu)
 今日の美の壺は、一年前に放送するはずだった「梅」がテーマでした。
 しかも今回は、大好きな野々村仁清の「色絵月梅図茶壺」&酒井抱一の「白地梅樹文描絵小袖」、その他にも狩野永徳の「梅花禽鳥図」等々、錚々たる顔ぶれの美術品紹介も盛り沢山で嬉しかったです。しかしこれだけ揃ったら最後はあれしかないだろう、と思っていた尾形光琳の「紅白梅図屏風」は何故か登場せず、せっかく今熱海で展示中なのに~とそれだけがちょっぴり残念でした。

 ともあれ、色絵月梅図茶壺はつい先日本館での展示が終わったばかりで、ほぼ毎年見ることのできるお馴染みの作品です。仁清の茶壷は出光美術館や静嘉堂文庫美術館等にもありますが、均整のとれたまろやかなフォルムの美しさにかけてはこの茶壺が断然一番で、金銀赤の絵付けの華やかさもまた抜群です。一度この壺と抱一の小袖と光琳の屏風が揃ったところを見てみたいなと思っているのですが、果たしてそんな機会があるでしょうか…?


白梅
東京国立博物館の庭にて(2010年2月撮影)


 参考リンク:色絵月梅図茶壺(東京国立博物館提供)

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夢を入れる箱

 2009/06/13(Sat)
  fujita.jpg
  (2008年テーブルウェア展出品「紅白梅」)

 今日の「美の巨人たち」は、大好きな藤田喬平の「飾筥シリーズ」でした。
 藤田喬平の名を初めて知ったのは、惜しいことにご本人が既に亡くなった後で、確か新日曜美術館の「箱」をテーマにした回でした。作品そのものの美しさもさることながら、何を入れるのかと言われて「夢を入れます」と答えたという有名なエピソードにすっかり痺れてしまい(笑)、以来すっかり大ファンです。
 そもそもガラス作家自体あまり多くは知りませんが、それにしてもこれほど「夢のように綺麗」という言葉がぴったりの作家は絵画でも彫刻でもなかなか見かけません。もちろん飾筥だけではなく、いかにも現代風の作品やヴェネチアングラス風の作品も数多く手掛けていてそれはそれでまた素敵なのですが、この人の作品で一番魅力的なのはやっぱり飾筥だよねーと、番組を見て改めて思いました。
 琳派大好きだった藤田の飾筥は「ガラスの琳派」と呼ばれているそうですが、元々最初の「菖蒲」の着想も光琳の「燕子花図」から得ており、他の作品も琳派というかどこか王朝趣味の雅やかな気品高さを感じさせて、本当に何度見ても惚れ惚れします。とりわけ、好んでいくつも作った「紅白梅」などは、豪奢な金と黒に散る華麗な紅白の点がまさしく光琳の「紅白梅図」を思わせますよね。

 さてこの飾筥、一見した限りでは技巧的に何がどう難しいのかは素人には判りませんが、2007年日本橋高島屋開催の回顧展の図録には、最初の作品「菖蒲」ができるまで「数え切れないほどの試行錯誤を繰り返して完成した」とあります。かのエミール・ガレも、あの金箔を刷り込んだ美しいガラスを生み出すまでには随分苦労したとどこかで聞いた覚えがあり、こうした職人の手も借りて作品を作り出すような作家の常でもあるのかもしれませんが、藤田については特に「よくぞこんな素敵なものを作ってくれた、ありがとう!」と思わずにはいられません。叶うものなら小さい作品(香合なんかも作ってるんですよ)でいいからひとつ欲しいなーとさえ思うのですが、しかし何しろ人気もあり既に亡くなった方ですから、さぞかし高価なんでしょうねえ…(とほほ)
 そうそう、今回番組で一番驚いたのが、今もご家族の手元に残るという最晩年の飾筥「白凰」を開ける場面でした。箱を取る時の「音」がガコっというか、やけにリアルに大きく響いて、あーこれ本当にガラスなんだ、と判ってちょっと衝撃でしたね。展示されている作品を見るだけでは判りませんが、何しろガラスですから重さもきっとかなりのものでしょうし、触れたらどんな感じなんだろう、とふと思いました。

 ところで、藤田の美術館が今回番組の中でその様子が紹介されていましたが、敷地のたたずまいや館内の展示があんなに素敵なところだとは知りませんでした。松島はさすがに遠くてなかなか無理かな~と思っていましたが、あれを見てしまったらもう、ぜひぜひ一度行きたいです!

 参考リンク・藤田喬平ガラス美術館
 http://www.ichinobo.com/museum/


  飾筥
  (2007年「藤田喬平 雅の夢とヴェニスの華」展図録。表紙の作品は「湖上の花」)

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菱田春草と江戸琳派

 2009/01/18(Sun)
 今日の新日曜美術館は、菱田春草作「落葉」(六曲一双、永青文庫)がテーマでした。千尋がこの作品を見たのは2004年の琳派展でのことで「え、これも琳派に入るの?」と思ったのを、今回も番組を見ながら懐かしく思い出しましたが、同じく番組中に登場した「黒き猫」を見ていてふと、「…この構図って、何だか抱一や其一っぽいような…?」と感じたのです。当時はむしろ下村観山の「木の間の秋」と抱一の「夏秋草図」の相似性の方が判りやすくて印象深かったのですが、後で図録を引っ張り出してみるとやはり同じような文が解説にありまして、なるほど好みなわけだわとちょっと笑ってしまいました。(なお番組では、「落葉」と俵屋宗理の共通点を指摘していて、これも盲点でした)

 ともあれ、どの作品を見てもどこかしら静謐な気品漂う春草の世界は、日本画の中でも大好きなものの一つです。また下村観山の「木の間の秋」はあまり余白を使わず描き込まれていますが、春草の「落葉」は落葉の下の地面も殆ど余白に近い描写となっていて、例えばワイエスのようなリアリズムを極めた世界ではないけれども、林を吹き抜ける風や積る落ち葉のかすかな音も聞こえてきそうな絵だと改めて感じました。通常は熊本県立美術館寄託ということで、関東ではなかなかお目にかかれませんが、今回番組を見て俄然また会いたくなってしまいましたね。永青文庫もそう頻繁に訪れるところではないのですが、機会があればまた行きたいです。(^^)

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箱の中の内なる宇宙 不思議な箱のコーネル

 2008/09/21(Sun)
 今日の新日曜美術館は、先週予告を見た時から大変楽しみでした。といっても、そもそもジョゼフ・コーネルという名前も彼の作品もまったく知らなかったのですが、一目見た瞬間「うわあ、澁澤龍彦が好きそう~」と思ったのです。(笑) もちろんそれは私自身も好みのタイプということで、番組を見終わった時にはすっかりコーネルの虜になってしまいました。
 自らの孤独(決して悪い意味ではなく)をあんな風に怖いほど美しく表現できたコーネルという人は、さぞかしその心の中にも宝石箱のようなファンタジア溢れる無限の宇宙を持っていたのだろうと思います。ただ、ご本人はきっと淋しいとか哀しいとか思ったりはしなかったのでしょうが、並大抵の人間には同じような生き方はなかなかできないでしょうね。
 ともあれ、言葉を使わない詩人とでも言えばいいんでしょうか、どこか不思議に懐かしくて謎めいていて、作品や番組でも使われたオルゴールの音色が本当に似合う素敵な作品ばかりでした。ごく小さいもののはずなのに底知れない、凍った時間を閉じ込めたようなあの世界を、今度は実物で見てみたいです。(幸い今川村記念美術館で見られるそうなので、近いうちにぜひ!)

 ところで、番組中でゲストさんの「コーネルは自分の作った箱の中に入ってしまった」というコメントがありましたが、それを聞いた時にふと、もう亡くなった安房直子さんという童話作家を思い出しました。詳しい説明はここでは省きますが、あの人だったらそんな話を書けるのではないかなと思ったのです。しかも安房さんの話は時々とても怖くて、異世界に迷い込んだ人がそのまま帰ってこないで終わってしまったりもするのですが、コーネルの箱も何だか本当に魅せられた人をその中に引き込んでしまいそうにも見えました。……うわあ怖い(笑)

  
銀のくじゃく―童話集銀のくじゃく―童話集
(1975/07)
安房 直子

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  ※一番好きだった童話集。怖い話も多かったです(^^;)


 また今回、コーネルの箱というものを初めて知ったはずなのに、どうも微妙な既視感めいた印象がありました。特に月とか星空とかのモチーフは確かに私の好きなものですが、それにしても何だか、澁澤龍彦や安房直子以外でもこんな世界をどこかで見たような気がしたのです。気のせいかなとも思いつつ、ともあれ早速ネットで検索しまくって色々な作品の写真を見てみたのですが、突然はたと気がつきました。
「そうか、東逸子さんだ!」
 思えばあの人の描く絵も夜や宇宙が多く、また冷ややかにも思える硬質で透明な美しくも幻想的な世界が、コーネルの箱にどこか似ていると思ったのです。私が一番好きな絵本は「銀河鉄道の夜」ですが、そういえば賢治の作品の世界も、コーネルの詩情溢れる箱の世界に通うものがあるかもしれませんね。


月光公園 (ミキハウスの絵本)月光公園 (ミキハウスの絵本)
(1993/11)
宙野 素子東 逸子

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 結局のところ、コーネルが何のために箱を作ったのかは本人以外には永遠の謎なんでしょうが、こういう謎は何も無理に答えを出さなくてもいいですよね。むしろ何のためにでもなく、逆に箱を作るためにこそ生きた一生だったのではないかと、ふとそんなことを感じました。


参考リンク:
 ・ジョゼフ・コーネルの七つの箱(川村記念美術館)
 ・天体と宇宙の美学(滋賀県立近代美術館蔵)
 ・コーネル作品集サイト(海外)


P.S
 コーネルの作品って、レプリカとかってグッズにないんでしょうか(笑)
 番組である人が「普段美術作品を欲しいとは思わないんだけれど、コーネルは欲しいと思った」と言っていましたが、私も欲しいです~~!(なければせめて写真集を!)

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いちめんのあさがお ―鈴木其一『朝顔図屏風』―

 2008/07/20(Sun)
 今日の新日曜美術館「踊る朝顔」は、実に珍しく鈴木其一が主役でした。酒井抱一大好きな私にとっては、彼の一番弟子で代作もよく勤めたという(笑)其一の名前はもちろんお馴染みですし、琳派目当てで巡った美術展などでも彼の作品には数多く出逢っています。特に代表作の「夏秋渓流図」(根津美術館)は光琳や応挙と共に何度も見ている作品で、また最近では三井記念美術館で、今日の番組でも紹介された朝顔の掛け軸を見てきました。(でも最初遠目で見た時は、一瞬抱一かと思ってしまった。苦笑)

 さてその其一さんですが、まず最初に白状しますと、実を言えば抱一ほど私の好みというわけではありません。(ごめんなさい) 初期の作品は本当に抱一そっくりで好きなのですが、独立後の彼独自のシャープで今見てもモダンなセンスが発揮されるようになってからの絵は、申し訳ないけれどそれほど心惹かれる作品は多くないのです。
 とはいえそんな中にも例外はあるもので、其一の其一らしい絵として私が一番好きな作品というのが、何を隠そう今回の主役「朝顔図屏風」なのでした。

 初めて「朝顔図屏風」を知ったのは、まだ琳派を知って日が浅かった頃、お手軽な琳派入門書として面白そうだなと購入した「琳派に夢見る」という本の中でのことです。きらびやかな金地に鮮やかに描かれたリズミカルで豪華絢爛な朝顔の美しさに、まさに一目で虜になってしまいました。
しかし悲しいかな、この屏風は海外流出して現在メトロポリタン所蔵となっており、そう簡単に会いにいけるようなものではなかったのです。何でこんな凄いものを流出させたんだと地団駄踏みつつ、いつか見たいなあと長年憧れ続けた、私にとっての幻の作品でした。
 それが忘れもしない4年前、かの「RIMPA展」で里帰り作品の中にこの「朝顔図」が入っていると知った時は、そりゃあもう飛び上がりました。会期の始まりをじりじりしながら待ち焦がれ、やっと念願叶って対面した現物は思ったとおりそれは美しく、しかも嬉しいことに保存状態も大変良好だったので、それでまた感動を新たにしたものです。この時は会期中合計4回通いましたが、同じ展示室に置かれた抱一作「月に秋草図屏風」と並んで、毎回会いに行くのがとりわけ楽しみな作品でした。

 ところで、この「朝顔図」を初めて見た時の第一印象に「あれ、何だか光琳の燕子花屏風に似てるなあ」というのがありました。金地に殆ど青と緑だけで描いた花、そしてリズミカルにうねるような構図(其一はまた一段と躍動的ですが)という共通点もあって、何だかこの人抱一よりも光琳にセンス近かったのかしら、と感じたのを憶えています。もっともモチーフを大胆にデザイン化する光琳や、対象を実物以上に美しく繊細に理想化する抱一ともまた違って、其一の絵はモダンな上にどこか若冲とも通じる博物学的な世界だなあと、内心密かに思っていました。
 そんなこんなで、今回の番組はそんな個人的感想が私だけのものではないのだなと判って大いに嬉しくもあり、また江戸時代における朝顔や博物学などの背景にも触れていて、全体にとても興味深く面白かったです。しかし考えてみると、私は特に西洋のボタニカルアートとかはあまり得意ではない方で、だから若冲や其一も(作品によりますが)微妙に苦手だったりするんでしょうね。(^^;)

 さて、ここでひとつ、番組冒頭の紹介についてちょっと文句?を述べたいと思います。

 一体誰が説明書いたのか知りませんが、あれでは抱一さん、何だかとっても勝手で我侭な酷い人みたいではないですか!(笑) いやそりゃ身の回りの世話させたのも代作頼んだのも事実ですが(ちなみに代作はばっちり証拠の手紙も残ってます)、そもそも二人は師弟でしかも主従関係でもあったのですからそのくらい当然ですし、大体あの時代の職人の丁稚奉公なんてもっと大変だったでしょう!(特に其一自身、職人出身なんだから尚更それはよく知っていたと思う) それに抱一だってさらに光琳だって、琳派の巨匠は40前後からの遅咲きの人が多いんだから、其一一人が回り道させられたみたいな言い方はしないでくださいよー!!
 ……こんなところで息巻いてもしょうがないのですが、ともあれ抱一から直接伝授された基礎的な技術はもちろんのこと、抱一の属していた文化サークルとも其一は大いに縁があったようですし(確か亀田鵬斎にも可愛がられたとか)、そういう人脈などからも得たものはきっとたくさんあったと思います。(遊郭遊びはまた別として。笑) だからその後彼が雨華庵を継承することなく、一人立ちして別の道を切り開いていったのも抱一との決別ではなく、師匠から受け継いだものを踏まえた上で自ら新しい世界へ進んでいったのだと、私としてはそう信じたいのでした。

 ともあれ、確かに抱一さんは大名家出身にしては(むしろだからこそ?)案外自由奔放そうなイメージもある人ですが、思えば彼が敬愛した光琳も私生活は相当かっとんだ人だったのですよね。そしてそんな光琳を堅実な弟乾山が終生支えたように、遊び人抱一さん(笑)とその真面目な?弟子其一も結構いいコンビだったのではないかしらんと想像すると、それはそれで何だかとても楽しい気がします。以前読んでとても面白かった小説「兄は光琳」のように、誰かそのへん書いてくれる人がいたらいいんですけどねー。(^^)

 あ、最後になりましたが、番組に出てきた真正面からの向日葵の絵を見てふと、さらに後の神坂雪佳が描いた金魚の絵(同じく真正面から描いたあれです)を思い出しました。ああいうある意味シンプルで大胆な構図は今見てもとても新鮮でしかも何だかユーモラスさがあって、二幅並べてみたら面白そうな気がします。(ちょうどどっちも夏の題材ですし。笑)


おまけ:今回の参考書籍

琳派に夢見る (美術館へ行こう)琳派に夢見る (美術館へ行こう)
(1999/02)
仲町 啓子

商品詳細を見る
琳派入門のお手頃な1冊。美術館情報も重宝。(ただしデータが少し古いので注意)

日本絵画の見方 (角川選書)日本絵画の見方 (角川選書)
(2004/12)
榊原 悟

商品詳細を見る
知ってはいけない?日本絵画における贋作事情の案内書。(笑)
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