お堀端の洋風建築

 2011/05/02(Mon)
 4月30日(土)、東京へ出かけたついでに、久しぶりに上野の旧岩崎邸へ行こうかと思い立ちました。
 先に八重洲に用事があったので、その後でてくてく歩いて国際フォーラムの横を通過、地下鉄二重橋前駅を目指しました。ところが、三菱一号館の前を過ぎて皇居の緑が見えてきたところで、突然どーんと聳え立つ巨大なギリシア風円柱が目に入ったのです。

 何これ、一体どこの銀行!?と驚き、近寄って見ると、壁にこんなプレートがありました。

   明治生命館1

 確かに丸の内界隈は明治から昭和にかけての洋風建築がちらほら残っているという話は聞いていましたが、今まで三菱一号館の先へ足を向けたことはなく、おかげでこんなものがあるとは全く知りませんでした。遠目にも実に目立ちますが、近くで見上げると、アカンサス装飾も華やかなコリント式の柱頭がますます目を引く、凄い存在感の建築です。しかし何しろあまりにも大きいため、反対側の道路へ渡ってもなお全体像が入りきらなくて、結局交差点の斜め向かいまで移動してカメラに収めました。


   明治生命館2
   明治生命館全景。実に堂々たる姿です。


 ところが、皇居側へ移動してみると、三菱一号館側とはまた別の入口があるのが目につきました。
 どれどれ、こっちもちょっと見てみようかと再び横断歩道を渡り、目の前まで行ってみてびっくり。何と、ちょうど土日の一般見学開放中であるとの案内板が出ていたのです。うわーラッキー!と大喜び、その瞬間当初の予定はあっさり変更となりました。(笑)

 さてこの明治生命館、竣工は1934年(昭和9年)ということで、既に80年近い歴史を誇り現在は重要文化財にも指定されている、堂々たる古典西洋建築です。とにかく外観の大きさ華麗さにまず驚き圧倒されますが、中に入り2階に上がると、巨大な吹き抜け空間と立ち並ぶ壮麗な柱、そして華やかな天井の石膏・漆喰装飾にまたまた仰天。昔の左官さんたちは鏝ひとつの職人技であの素晴らしい漆喰のレリーフを作り上げたそうですが、これほど大きなものをしかもこんな間近でみることのできるところは初めてで、一際感激でした。


   明治生命館3
   中央の吹き抜け部分。1階は今でも現役のオフィスです。


 柱や床などに使われた大理石ははるばるイタリアから輸入したものだそうで、種類も灰色、クリーム色、薔薇色など実にカラフルで美しく、中でも階段の踊り場はあたたかみのある色合いが綺麗です。一方で室内は重厚なダークブラウンの木材を多用し、また各部屋に様々な意匠のマントルピースを配していて(ただし本物の暖炉ではなく飾り)、落ち着いた格調高さと華やかさが見事に調和していました。特に応接室は華麗なスパニッシュ風のつくりが大変好みの雰囲気で、知らなければとてもオフィスビルの一室だとは思えないくらいお洒落なんですよ。


   明治生命館4
   食堂の立派な暖炉。隣室には何とダムウェーターも。


   明治生命館5
   華やかな応接室。どんなお客様をお迎えしたのでしょうか?


   明治生命館6
   階段踊り場の窓。隅々まで実に凝っていてお洒落。


 ともあれ、こうした企業の建築物(しかも現役)でここまで中を公開してくれているところはかなり珍しいのではないかと思います。(おまけに無料!) 週末に三菱一号館へお出かけの際には、ぜひ足をのばしてこちらも覗いてみてください。

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港町の洋館たち メリークリスマスインヨコハマ編

 2010/12/26(Sun)
 12月11日(土)、友人を誘って珍しく(笑)横浜の洋館巡りに行ってきました。
 元々横浜や神戸の洋館については、自分が函館出身ということもあって逆にあまり珍しさを感じなかったため、これまでそれほど興味は持っていませんでした。けれども考えてみると、函館には公会堂等はともかく個人の邸宅で純洋風建築というのはあまり憶えがありません。(注・函館は1階和風・2階洋風のいわゆる和洋折衷住宅が主流で、しかも外観は洋風でも中身は純和風だったりするのです。笑)
 その後東京の旧岩崎邸や古河邸を見る機会があり、その時初めて個人の邸宅(それも超豪邸)であった洋館を見て、ちょっと驚いたものです。これは随分違うなと感じ、他の洋館も見てみたいなと何となく思っていたのですが、少し前に美の壺スペシャルで取り上げられたこともあり、それじゃあ横浜へ行ってみようかとなったのでした。

 というわけで、現在横浜市が所有し一般公開されている、以下7軒を巡ってきました。


  横浜・ブラフ18番館
  ブラフ18番館。元は司祭様の住宅。
  シンプルな外観のコロニアルスタイルで、内装は白い壁に淡い緑の縁取りが爽やか。


  横浜・外交官の家
  外交官の家。元は東京・渋谷にあった建物を移築。
  チョコレートケーキのようなお洒落な外観に対し、内装はダークブラウン調で渋め。


  横浜・ベーリックホール
  ベーリックホール。英国人貿易商の邸宅で、近年修理したばかり。
  スパニッシュスタイルの大邸宅で、階段の手摺や2階の小窓など細部も素敵。


  横浜・エリスマン邸
  エリスマン邸。スイス人貿易商の邸宅。
  シンプルな木造2階建てで、派手さには欠けるけれど落ち着いた雰囲気。


  横浜・山手234番館
  山手234番館。日本人設計の西洋人向けアパート。
  3LDKの4軒からなり、山手7館の中ではちょっと地味目。


  横浜・イギリス館
  横浜市イギリス館。元イギリス総領事公邸。
  入り口側はシンプルですが、裏の庭園から見上げる角度が一番綺麗。


  横浜・山手111番館
  山手111番館。スパニッシュスタイルのこぢんまりした邸宅。
  吹き抜けの玄関やダイニングがどっしりと重厚な雰囲気で、半地下?の喫茶もお勧め。


 ところで今回、あまり予備知識もなく出かけていったらやけに人が多くて驚きました。一体何だろうと思ったら、ちょうどクリスマスに合わせて邸内に素敵な飾りつけをしていたのです。どの邸宅もゆかりのある国をテーマに趣向を凝らしたツリーやテーブルウェアで一段と華やかに装われており、おかげで予定以上に写真撮影に追われてくたくたでしたが、一足早く素敵なクリスマスを楽しませてもらいました。ちなみにその際、12/25にNHKの「小さな旅」でも放送されるという情報を聞いていたので、もちろんばっちり録画しましたよ。(^^)


  横浜・ブラフ18番館のダイニング(ベルギー)
  ブラフ18番館ダイニング ブルーが基調の「水の帝国」(ベルギー)


  横浜・外交官の家 お菓子の家(ドイツ)
  外交官の家書斎 素朴でかわいいお菓子の家(ドイツ)


  横浜・ベーリックホール クリスマスの花嫁
  ベーリックホールダイニング ロマンチックなクリスマスの花嫁(フィンランド)


 ともあれ今回はもっぱらクリスマスのディスプレイの撮影が中心となってしまい、建物自体の観察があまりできなかったので、そのうちまた観光客の少なそうな時期を狙って行ってみようと思います。特に山手111番館は2階部分に上がれなかったのが心残りなので、いつか見せてもらえるといいんですけどねえ。

参考リンク:横浜市緑の協会西洋館マップ

  
横浜洋館散歩 山手とベイエリアを訪ねて横浜洋館散歩
山手とベイエリアを訪ねて

(2005/02)


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